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【前編】――KDDI子会社の不祥事から学ぶ――「閉鎖的な現場」が組織を滅ぼす。エンジニア支援企業の透明性と人間力

はじめに

2026年3月、大きなニュースが飛び込んできました。KDDI株式会社の連結子会社であるビッグローブ株式会社、およびその孫会社であるジー・プラン株式会社において、長年にわたり巨額の「架空循環取引」が行われていたという調査報告書です。

shormaでは、エンジニアの技術力を核として、クライアントのプロジェクトを現場で支える事業を展開する企業です。一見、大手通信キャリアグループの不祥事は、我々のような規模の技術支援企業とは無縁の話に聞こえるかもしれません。しかし、調査報告書を読み解くと、「閉鎖的な仕事の進め方」「属人化」「コミュニケーションの断絶」といった、IT現場のどこにでも潜んでいる「リスク」が浮き彫りになっています。

今回は前編として、なぜ閉鎖的な仕事の仕方が危険なのか、そしてその「リスク」を回避するにはどういった行動を取るべきなのか、この事件を他山の石としshormaの視点を交えてお伝えします。

1. 「バカになれ」という言葉の裏にある闇

調査報告書の中では、不正を主導したとされる中心人物が周囲の疑問を封じ込めるために「詳細は考えないでほしい」「気にしないでバカになれ」といった趣旨の発言をしていました。

この人物は、取引の全体像を自分と極めて限定的な協力者だけの「ブラックボックス」の中に閉じ込めました。他の役職員の疑問や指摘に対しては、理由を付して説明を行うことにより、疑問を解消し又は疑問が生じないようにしていました。

これは、エンジニアがお客様のプロジェクトに参画する現場でも起こりうる現象です。現場という特性上、エンジニアが外部の環境で一人で業務を行い、その中で「あの人にしか分からない業務」が構築されてしまうと、現場ももちろんのこと、自社からも現場の真実が見えなくなります。本人が「順調です」と言えば、それがどんなに危険な状態であっても、外からは正常に見えてしまうのです。

現場でも同様の見え方となってしまい、最後の最後になって取り返しのつかない状況に陥っていることに気づいた。とはよく聞く話です。

2. 属人化が招く「心理的安全性」の崩壊

報告書では、特定の担当者に業務が集中し、牽制する機能が形骸化していたことが指摘されています。

特定の誰かしか詳細を知らない状態は、「属人化」が進むと組織内の「心理的安全性」が失われます。

「何かおかしい」と感じても、それを指摘することで自分の立場が悪くなるのではないか、あるいは「自分が理解できていないだけではないか」という不安に駆られ、沈黙を選んでしまう。ビッグローブの事案では、この沈黙が2,400億円という巨額の架空売上を生むまで放置される結果となりました。

「最大のセキュリティはPCの電源プラグを抜き、PCに近づかないことだ」と謳った記事が昔ありました。

これは極論ですが、本質は「常に最悪のパターンを想定し、隙をなくす」というリスク管理の徹底にあります。物理的な遮断ができない以上、「情報の断絶」を最も恐れるべき。と。

3. shormaが提供する「情報の通気口」

shormaでは徐々にベテランも増えてきています。しかし、現場での経験を積めば積むほど、自分の仕事のやり方に固執し、周囲を寄せ付けない「閉鎖性」を持ってしまうリスクがあります。

これを防ぐために、shormaでは以下の「情報共有の場」を設けています。

この情報共有を元に、お客様に対する提案や報告へ繋げ、現場の閉鎖性を打ち破り現状を透明化し共有することを徹底しています。

目標シートと3ヶ月に一度のチェック
 単なる評価のためではなく、「今、何を考え、何に詰まっているか」を上長が確実に把握するための対話の時間です。

チーム別の月次定例とアドバイス
 現場での状況を報告し、トラブルの兆候がないか、行動指針にズレがないかをチーム全体でチェックします。

迅速な行動
 エンジニアが社外のプロジェクトに参画している以上、現場で何が起きているかという一次情報は、何物にも代えがたい資産です。現場でトラブルの兆候や、業務効率を阻害する予兆を察知した際、報告を待つだけの姿勢にはせず、情報をキャッチした瞬間に現場の空気感を直接掴みに行きます。

この定期的なチェックと迅速な行動こそが、お客様に対する「守りの提案」に繋がります。それにより、「今はまだ表面化していないが、このままでは数ヶ月後にリスクになる」といった先回りの報告と改善案の提示が可能になります

単なる「技術の提供」に留まらず、情報をオープンにしてお客様と同じ視点でプロジェクトの健全性を追求することこそが、信頼の基盤となります。

4. これからの時代に求められる「人間力」

AIの進化により、単純なコーディング作業はAIが代替するようになります。そうなったとき、人間に残される価値とは何でしょうか?

shormaでは「先を読み、準備する能力」、そして「周囲と信頼を築く人間力」こそが重要だと考えています。自分の仕事の殻に閉じこもり、情報を遮断してしまうとAI時代には真っ先に淘汰されてしまいます。

逆に、自分の状況をオープンにし、他者と協力して効率的に立ち回れる人間は、どのような変化にも対応できると考えております。

前編のまとめ:閉鎖性は「無知」を呼び、不正を招く

KDDIの調査報告書は、閉鎖的な組織がいかに脆いかを証明しました。

「自分たちだけが分かっていればいい」という仕事の仕方は、いずれ組織全体を腐敗させます。shormaはこれからも、情報の透明性にこだわり、社員一人ひとりが生き残っていけるようなエンジニアを育成し、活躍できる環境を追求していきます。


執筆:MZK

参考資料:KDDI株式会社「当社連結子会社における不適切な取引の疑いに関する特別調査委員会の調査報告書の受領及び今後の当社の対応について」(2026年3月31日発表)

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